日本K-ABCアセスメント学会について
日本K-ABCアセスメント学会
理事長 服部 環
2024年8月9日に開催された日本K-ABCアセスメント学会理事会で理事長に選任されました。初代の藤田和弘先生、第2代の石隈利紀先生、第3代の小野純平先生の後継となる第4代の理事長です。微力ではございますが、当学会の発展のために取り組む所存です。どうぞよろしくお願いいたします。
日本K-ABCアセスメント学会は、1993年刊行の「日本版K-ABC心理・教育アセスメントバッテリー(日本版K-ABC;2013年に日本版KABC-Ⅱへ改訂)」を中心とし、心理・教育アセスメントを適切に活用していくことを目指して1997年に日本K-ABCアセスメント研究会として発足しました。
2008年に会の名称を日本K-ABCアセスメント学会へ変更しましたが、当時の会員数は625名、全国で13箇所に地域研究会が発足していました。その後、学会活動に賛同された多くの方々を会員として迎えることができ、2024年5月末の会員数は860名です。また、地域研究会は、新しいところではおきなわK-ABCアセスメント研究会が発足し、全国で18の研究会が活動しています。学会本部では皆様が日本版KABC-Ⅱに習熟して頂けるよう都内で講習会を開催しています。ここ数年は全国各地で日本版KABC-Ⅱの講習会が開催され、2024年度は5箇所の地域研究会が講習会を開催します。年に一度の研究大会に加え、このように本学会は多くの会員・非会員の皆様が研鑚を積む場でもありますので、課された責務を改めて重く感じています。
ところで、公認心理師資格をご存知の方が多いことと思います。その資格認定試験では何度か日本版KABC-Ⅱに関する知識・理解が問われています。また、試験とは特に関係しませんが、令和4年12月に改訂された文部科学省の生徒指導提要ではWISC-Ⅳ、WISC-Ⅴ、Vineland-Ⅱと並び、認知能力と習熟度の差をみる検査としてKABC-Ⅱの活用が言及されています。いずれも日本版KABC-Ⅱが信頼される検査として評価されたことの証であり、学会員の一人として嬉しく思います。
心理アセスメントは教育機関だけではなく、医療機関、司法・法務機関、福祉機関など、きわめて広範に活用され、それぞれの機関ではアセスメントの正しい実施と結果の解釈ができ、支援の方法を教員、保護者、そして子どもへわかりやすく適切に説明ができる専門家が必要とされています。これからも事務局と力を合わせ、皆様が専門家としての資質向上を目指す研鑚の場を本学会が提供できるよう、そして、皆様の実践と研究の成果を広く社会へ還元できるよう運営を続けて参ります。今後ともご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。